1942年6月5日から7日にかけてアメリカ領ミッドウェー島付近で行われた
太平洋戦争においての日米形勢の転換点と呼ばれる戦いです。
音声はこちら↓↓↓
ミッドウェー島
場所:ハワイから約2000キロ離れたところ(日本からは4000キロくらい)
面積:約6.3平方キロメートル
環礁からできている
現在もアメリカ領である
日本からも相当離れている太平洋の中心にある島です。
島も小さく人が定住するのは厳しい環境でもあります。
時代背景
1941年12月 真珠湾攻撃により日米開戦
詳しくは真珠湾の回をぜひ聴いてください!
それ以降南方戦線において日本は連戦連勝を重ねる
アメリカは真珠湾でやられた部隊の再編に手間取っていた
そのため単発でマーシャル諸島などにある日本軍基地を攻撃
この散発な攻撃は日本にとってダメージは大したことないのですが、
アメリカはどちらかと言うと国民世論を意識していたようです(プロパガンダ)
元々山本五十六がミッドウェーで空母せん滅する作戦は出ていたが、
軍令部は南方戦線に重きを置いていた
これは海軍が古い考えに縛られていたこともありますし、南方の方が資源豊富で獲得のうまみもあったからです。
1942年4月18日 ドーリットル空襲が起こる
アメリカ爆撃機が日本本土を空襲
日本に近づけるギリギリの海域まで空母で接近
そこから爆撃機を飛ばし日本を空爆し、そのまま中国へ向かう
被害は軽微であったが精神的動揺は大きかった
日本側は死者87名の被害
一時は昭和天皇も避難させるなど緊迫した事態となった
いつまたドーリットル作戦のようなことが起こるか不安に晒されたため、
ミッドウェー作戦が本格的に決行される流れとなる
ミッドウェー海戦
開戦前の日米駆け引き
主目的:米空母部隊をおびき寄せ殲滅
あわよくばミッドウェー島自体も攻略
有名な話ですが、日本の暗号が解読されており、攻撃目標などが既にアメリカにバレてしまっていました。
アメリカは戦闘情報班(HYPO)による日本側の暗号解読を行っていた
日本にとっては奇襲のつもりであったが、アメリカが待ち構えている形になった
日本軍が来る位置、日時などもおおよそバレていた
日本はそもそもアメリカ空母は近くにいないと思っていた
空母ヨークタウンの奇跡的復活 珊瑚海海戦で日本側は沈没させたと思っていたが実際は損傷だけで沈んではいなかった アメリカはギリギリ航行できるレベルまで急ピッチで修理しミッドウェー海戦に間に合わせた
結果的にアメリカは3隻の空母を投入できた
空母1隻違えば艦載機100機くらい違ってくるので、
戦況に大きな影響を与えます。
ヨークタウンが復活できなかったら航空戦力も日本が上だったので、
結果は違っていたかもしれませんね。
戦力
日本
空母4隻
戦艦2隻
重巡洋艦2隻
艦載機290機
アメリカ
空母3隻
戦艦なし
重巡洋艦7隻
航空機300機超
艦隊戦力で言えば日本の方が上だったが
航空戦力ではアメリカが少し上回っていました。
アメリカは艦隊戦とせずに空母による航空機で勝負を仕掛けることになります。
空母戦ってどんな感じで戦うの?
ものすごい簡単に言うと①②の流れです。
①偵察機を飛ばして相手の空母を発見する
②無線で相手空母の位置を知らせる
③連絡を受けた位置に艦載機を飛ばして爆撃する
つまり先に相手空母を見つけた方が圧倒的に有利なのです!
戦いの経過
日本は当初空母部隊の存在にも警戒はしていたので艦載機には魚雷装着もしていた
しかしミッドウェー島を攻撃する際に陸上用爆弾に付け替えた
これを兵装転換と言いますが、とにかく時間がかかるんですね。
人力でやらなくてはいけないので爆弾は重いしドッグは狭いので。
そんな中敵艦隊発見の連絡があり、近くにアメリカ空母部隊がいることがわかる
ここで山口多門中将が陸上爆弾のまま出撃を具申する
しかしこの意見を南雲忠一司令官は無視し
再度の兵装転換を命じ陸上用爆弾を魚雷に付け替える
そんな中第一陣で飛んでいたミッドウェー空襲部隊が帰ってきてしまいドッグは混乱
付け替えた爆弾がその辺に無造作に置かれていたりしました。
これが結果的に悲劇となります。
兵装転換が終わるか終わらないかのタイミングで米軍の空襲に遭い
わずか10分足らずで3隻の空母が攻撃を受け沈められてしまう
無造作に置かれた爆弾に引火して誘爆を引き起こしたことが大惨事となってしまったと言われています。空母は防御力はありませんが、さすがに数発の爆撃で沈むほどでもないのです。
かろうじて攻撃をかわせた空母飛龍がここから反撃に出る
飛龍を指揮していたのは山口多門中将
第一撃で米空母ヨークタウンを発見し爆弾を当てる
第二撃で別の空母と誤認し、再度ヨークタウンを攻撃し沈没させる
この後飛龍は米航空機の爆撃により大破炎上
午後2時に攻撃を受け、約4時間沈没させまいと必死に持ちこたえるが
午後6時に山口多門が総員に激を送り退艦させる
加来 止男少将と山口多門中将は飛龍と共に沈んでいった
ミッドウェー海戦の被害
日本
空母4隻(赤城、加賀、蒼龍、飛龍)
重巡洋艦1隻
艦載機290機
兵士3057名
アメリカ
米国
空母(ヨークタウン)1隻
駆逐艦1隻
戦死307名
主力空母を4隻も一気に失った日本は太平洋における制空権を一気に失うこととなります。
今まで日本優位に進んでいた戦況が一気に振り出しに戻されてしまいました。
なぜ日本は負けてしまったのか
やっぱり暗号解読されていて作戦が筒抜けだったからかな?
もちろんそれもあるけど、戦力はほぼ五分五分だったんだよね。
仮に負けたとしてもここまで大敗はしなかったと思われるね!
原因① 空母の配置
空母自体は戦闘力はほとんどなく、防御力もほとんどない
例えば飛行機の離発着するドッグは木でできている
これは船の重心が上の方にあると転覆してしまうので、
木を使うことで重心を下げたんですね。
そのため少しの爆撃でドッグは使用不能になってしまいます。
しかし日本は空母を守るべき戦艦を後ろに下げ、空母を最前線に配置していた
原因② 兵装転換
魚雷への再度の兵装転換せずに山口多門中将の具申通りにしていれば
艦載機を失わずに済んだ可能性もあった
あわよくば米空母にダメージも与えられたかもしれない
どのみち空母を失えば艦載機は捨てるしかないんですが、
少なくとも敵にダメージを与えられた可能性も高く・・・
ただ、南雲司令官はセオリー通りに行動したのであって、
結果論で全てを語ってしまうのもマズいとは思います。
原因③ 上層部のコミュニケーション不足
山本五十六と南雲忠一の間でミッドウェー作戦の主目的の認識がズレていた
この部分の意思疎通がしっかり取れていれば
少なくとも兵装転換をして陸上用爆弾に変更はしなかったのでは・・・
あくまでアメリカ空母をおびき出して殲滅が目的なら、
わざわざ陸上攻撃用の爆弾にしていなかったでしょうし、
相手空母の存在を常に警戒していたでしょうからね。
最後に
太平洋戦争の転換点と呼ばれるミッドウェー海戦
この戦いで大敗北した日本海軍は以降の戦いでもアメリカを圧倒できる力がなくなり
圧倒的な物量の差に追い込まれていくこととなる
歴史に「たられば」はないのですが、
もし・・・だったらと考えずにはいられない戦いだと思います。