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太宰治について
1909年生まれ
青森県の大地主の家に11人兄弟の10番目として生まれる
学校の成績は優秀だった
東京大学に進学しフランス文学を学ぶ
一時期左翼活動に傾倒したり自殺未遂など起こしたり
問題行動を度々に起こすこともあった
そんな中で小説を書き名を上げることになる

代表作『人間失格』『走れメロス』など、誰もが知っている作品ですよね
しかし結核が悪化し療養生活も続いていた
1948年に玉川上水で女と一緒に入水自殺(享年38歳)
斜陽について

「斜陽」という言葉に没落という意味が付けられたのはこの小説の影響と言われています。
例えば「斜陽産業」なんて言うと落ち目の産業って意味になりますよね。
■登場人物
かず子☞主人公、29歳、基本的に物語はかず子目線
母☞華族らしい上品さと美しさを持っていた
直治☞かず子の弟。戦争に行っていた。アヘン中毒、アルコール中毒。
上原☞小説家、直治の友人。妻子持ちだがかず子が恋焦がれている。

具体的な内容は小説をお読みください。
ざっくりとした内容は以下の通りです。
■概要
・舞台は戦後すぐの日本
・華族制度が廃止され、かず子と母は貴族としての暮らしを捨てきれずにいた
・そんな中、戦争に行っていた直治が帰ってきた
・直治は現実を受け入れられず酒を飲み歩いてばかり
・母親の病気が進行し、突如なくなってしまう
・かず子は上原に会いに行き一夜を共にした
・帰ってきたら直治が自殺していた
・上原にも捨てられたかず子は、上原の子を身ごもっていた

貴族の没落について書かれています。
元々かず子たちは爵位を持っていた華族であったが、
1947年の華族制度廃止によって一般人となります。
母は貴族のまま衰えて亡くなった。
直治は貴族であることに抗いながらも
結局は貴族として自殺を選んでしまった。
かず子は庶民となることを受け入れる。

みんなそれぞれ違った道を進んだんだね。

かず子は自分たちの人生を以下のように表現しています。
「道徳の過渡期の犠牲者であり、古い道徳に打ち勝ち革命を起こした
恋しい人の子を産み育てることが私の道徳革命」

よくわからない(笑)

古い体制から脱しようとする人の姿を象徴しているんですね。
斜陽は新しい時代を生きる者の葛藤を描いた作品であり、
大きく言えば敗戦で沈む日本人の生き様を描いたものとなります。
斜陽のモデル
主人公のかず子にはモデルとなった女性がいると言われる


太宰治の愛人の一人で、太宰との間には娘もいます。
ちなみに娘さんも作家として有名人です。
『斜陽』は太田静子の日記をベースにした小説と言われます。
なので女性が主人公で女性目線の視点で描けているんですね。