関東大震災後の混乱下で起こった謎の多い事件「甘粕事件」について解説します。
甘粕事件とは
甘粕事件は、1923年（大正12年）9月に発生
関東大震災の混乱の中で、社会主義者の大杉栄とその妻の伊藤野枝、そして甥の橘宗一が、当時の日本陸軍憲兵大尉だった甘粕正彦に殺害された事件
大杉栄について
軍人が多くいる家系の出自であり、
そのため幼少より陸軍学校へ入れられることになる
小さいころから武道に熱中、反面勉学はおろそかにしていたとのこと
学校内でも反抗的な学生で、同期生との喧嘩からナイフで刺される騒動を起こしてしまう
そのような問題児であったため退学処分にされてしまう
軍隊の窮屈な生活から解放され、反動で好きなことをやるようになる
文学の道にすすむため語学研究の名目でフランス語学校に通う
幸徳秋水が結成した平民社の活動に傾倒していく
社会主義運動に参加し、逮捕・釈放を繰り返す
特に有名なのは赤旗事件
このあと大逆事件が起きるが大杉栄は獄中にいたので助かる
★無政府主義者（アナーキスト）
国家や政府の支配をなくす社会を目指す、すなわち国家の否定
大杉栄は結婚していた
相手の堀保子は婚約していたが、半ば大杉栄が強引に奪い取ったらしい
自由恋愛主義・・・自由な性を根底の考えに持つ人だったとか。
おが太郎みたいな感じだね！
やめろ(笑)
【大杉栄の変人エピソード】
伊藤 野枝との間に５人の子供をもうける
その子供の名前が変わっている
・長女：魔子
・次女、三女：エマ・・・エマ・ゴールドマン
・四女：ルイズ・・・ルイーズ・ミシェル
・長男：ネストル・・・ネストル・マフノ
長女以外は有名なアナーキストから名前を付けている
ちなみに後に皆さん（次女は不明）改名してます
【女絡みの事件】
神近 市子・・・経済的に大杉をサポートしていた女性
大杉栄と伊藤野枝の関係性に嫉妬して大杉を刺す事件を起こす
世間は市子に同情的であった
第一次世界大戦後の戦後不況によって労働争議が増加
大杉の活動も広がっていく
大杉栄の活動は基本的には講演会、執筆活動や海外著作の翻訳、社会運動などです。
甘粕事件の背景
【関東大震災】
1923年9月1日に発生した関東大震災は、日本の首都圏を中心に甚大な被害をもたらした
社会不安やデマが広がり、朝鮮人や共産主義者に対する暴力や弾圧が激化
【政治的背景】
当時の日本は、第一次世界大戦後の戦後不況の影響で社会不安になっていた
そのため共産主義運動や社会主義運動が台頭しており、
政府や軍部はこれに対して強い警戒感を抱いていた。
大杉栄は著名な無政府主義者であり、政府にとって危険な存在とみなされていた
甘粕事件の経緯
関東大震災直後の9月16日、憲兵隊は大杉栄と伊藤野枝を逮捕した。
震災の混乱に乗じて、社会主義者や共産主義者が何らかの活動を行うという疑惑のもとで拘束
甥の橘宗一は東京が見たいと言って大杉栄夫妻についてきていた
大杉夫妻と甥の橘宗一は、逮捕された翌日に憲兵隊の施設で絞殺され、
その遺体は井戸に投げ捨てられていた
犯人は５名、うち主犯は甘粕正彦
甘粕正彦はその後逮捕され、軍法会議で禁固10年の判決を受けた
しかし1926年に仮釈放された
この処罰の軽さは、日本国内外で多くの批判を招いた
なぜ３年で済んだのかは不明
途中昭和天皇の結婚による恩赦もあったのですが・・・それにしても短いです
甘粕正彦が何らかの理由で罪を被ったのではないかとも言われている
甘粕事件は日本の左翼運動に大きな衝撃を与えた
この事件は日本政府や軍部による言論弾圧の象徴
事件は当時の日本における人権問題や司法制度の課題を浮き彫りにした
まとめ
事件の真意は不明ですが、６歳の子供まで殺害するというのは軍部の行動としても謎が多すぎます。（世間体考えても批判に晒されるのはわかりきったことですし・・・）
甘粕が独断で行った殺人という方がまだしっくりは来ますよね。
いずれにせよいかなる時代においても何の罪もない人が犠牲になるのは痛ましいことだと感じました。
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