『蟹工船』~プロレタリア文学の代表作~

文学
長まろ
長まろ

画太郎先生に触発されて書いてみました!
(音声未放送の内容です)

プロレタリア文学とは

1920年~1930年代にかけて流行した
労働者を中心に描かれたものを指す

長まろ
長まろ

当時の日本(世界も)は資本家による労働者の搾取が酷かったため、それを描いたプロレタリア文学はとても人気が高かったようです。貧しい労働者階級のうっ憤を代弁してくれるような役割だったのですね。

代表作

小林多喜二『蟹工船』

徳永直『太陽のない街』

黒島伝治『豚群』

葉山嘉樹 『海に生くる人々』

長まろ
長まろ

他にも色々とありますが・・・今回は最も有名なプロレタリア文学と言われる『蟹工船』について説明します!

『蟹工船』の概要

蟹工船の状況

長まろ
長まろ

これから読もうと思ってる人はネタバレしてしまいますけど、先にある程度あらすじ的なものを知ってから読んだ方がいいかもしれないです。
理由としては小説に慣れている人は平気ですが、そうでない人はちょっとクセがあるため「難しい」と感じるかもです(主人公がいない群像劇のため)。

蟹工船とは
海でカニ漁をしそのまま船内で缶詰にする「船」と「工場」が一緒になったもの
厳密には船とも呼べず、工場とも呼べないことから労働法や航海法の隙間をくぐっており、労働者に対する虐待や強制労働などが行われた

カニ漁を普通にしていると運搬中に鮮度が落ちてしまう
そのため鮮度が落ちる前に帰港しなくてはいけない
それだと燃料効率含め利益が出ない
そのため船の中で缶詰加工してしまおうというアイデア

長まろ
長まろ

小説の出だしは「おい、地獄さいぐんだで」で始まります。
有名なフレーズなので聞いたことあるかもですが、もうこの言葉だけで蟹工船がいかにひどい現場だったかがわかりますね。

蟹工船に乗る労働者は東北地方などの貧しい生活をしていた人々が多く、
中には稼げるからと騙されて連れてこられた人も多い

労働者は毎日16時間働かされていて
休日なし、風呂無しの劣悪環境下であったため
病気になったりケガをしたりします
しかし寝ていることは許されず働かされます

長まろ
長まろ

多くの人がギュウギュウの部屋に押し込まれて寝かされ、
風呂も入れないため虱が沸いたり、悪臭もすごかったようですね。
そんな環境であればすぐ体を壊してしまします。

どんなに環境が劣悪でも誰も監督に歯向かおうとしない
歯向かうと虐待をされるためである
熱い鉄を体に押し当てられます
殴る蹴るは日常茶飯事
暴力と恐怖によって一部の資本家が労働者を支配していました

長まろ
長まろ

ピストルも持っていて監督には誰も逆らえないような感じです

また労働者の中にも上下関係があり
力のないものは虐げられ
中には性欲処理に使われる者もいました

長まろ
長まろ

こんな地獄でもそれを受け入れるしかない労働者たちの現実があるのです
蟹工船に乗らなかったら貧しさで死んでしまうような環境だったのです

物語の転換点

長まろ
長まろ

詳細は省きますが、行方不明になっていたメンバーがいて、実はロシア船に救助されており、ロシアの共産主義的思想に感化された人間が蟹工船に戻ってきます

日本では資本家が労働者を搾取していることが伝わり
船内ではその話に感化されるものが現れてきます

そんな中でも劣悪な労働環境は変わらず
脚気で亡くなる者や事故で大けがする者が出てきます

長まろ
長まろ

そんな中リーダー的な存在が現れてきます

威嚇のためピストルをチラつかせる監督をよそに皆を鼓舞し続け
遂にストライキを起こすこととなります

労働者の団結の火は収まらない

労働者側の代表が監督に要望を突き付けますが
近くに待機していた駆逐艦の水兵が蟹工船に乗り込み
労働者側の代表者9名を捕えていきます

長まろ
長まろ

軍も資本家側だったんですね。
これによりストライキは失敗しますが・・・

これによりさらに監督は労働者を酷使することとなります
しかし一度燃え上がった労働者の団結の火は消えることな
別のリーダーが現れ2回目のストライキを行います

長まろ
長まろ

このストライキは成功します!これにより大幅に労働環境が改善されます。

蟹工船が帰港すると実は他の船でも労働者がストライキを起こしていたことがわかる
監督は責任を取らされクビになる
ストライキに参加した労働者は他の環境でも同様に活動を行うようになった

長まろ
長まろ

ざっくりこんな感じのお話です

作者の小林多喜二について

1929年5月 『蟹工船』を発表
プロレタリア文学の旗手として多くの人から注目を集めることとなる
別の作品で特高(特別高等警察)を悪く書いたため、特高からマークされていた

その後日本共産党への資金提供や『蟹工船』が不敬罪にあたるなどで逮捕される

釈放後、日本共産党に入党する(1931年)

長まろ
長まろ

この頃危険思想の取り締まりは厳しかったため、地下活動を行っていました

スパイの密告によって特高警察に捕まり
棒で殴られるなどの拷問を受けた結果亡くなってしまう

長まろ
長まろ

しかし彼の遺した『蟹工船』は未だに売れ続けるベストセラー本となり、
多くの人に影響を与えることとなります。
彼の考えは100年近く経った今でも注目を集め続けているのです。
最近だと2008年に再ブームとなったことが記憶に新しいかと思います。
非正規雇用の拡大が影響していると言われておりなんとも複雑ですが・・・)

まとめ

・物語は実際にあった話ではない(フィクション)
・資本家に労働者が搾取されていた時代背景
・労働者が一致団結して立ち向かえば資本家も倒せる
(資本家は労働者がいなければ成り立たない)
・当時の日本においては労働者の団結は危険と見なされていた

長まろ
長まろ

蟹工船はいつの時代に読んでも通じるものがあると思います。
興味のある方はぜひ手に取って読んでください!

漫画ならこちら↓↓↓

Bitly
長まろ
長まろ

漫画は読みやすいし人の名前もしっかりあるので小説より頭に入って来ますね(好みありますが)

おまけ↓↓↓

[第1話]漫古☆知新-バカでも読める古典文学- - 漫☆画太郎 | 少年ジャンプ+
伝説の奇才作家・漫☆画太郎がジャンプラ読者に古典文学を紹介!大胆な新解釈でジャンプラ読者を啓蒙する!
タイトルとURLをコピーしました