今更なんていわせない
過去を知って明日を見たい大人の近代史です
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Par1
Part2
東京裁判とは
第二次世界大戦の終戦後、勝利した連合国側が日本の戦争犯罪者を
裁いた裁判のことを通称東京裁判と呼ぶ(正式には、極東国際軍事裁判)
1946年~1948年の2年間で行われた
A級戦犯とは
A級戦犯って聞くと物凄い凶悪犯を思い浮かべてました・・・
裁判上の区分 A級:「平和に対する罪」 侵略戦争を計画、実行した者 国家の中枢にいて政治や軍事動かしてきた人 B級:「通例の戦争犯罪」 戦争において軍が戦時国際法を守らなかった 軍隊の指揮・監督にあたった士官・部隊長 C級:「人道に対する罪」 一般住民に対する虐待、虐殺などの非人道的行為 直接捕虜の取り扱いにあたった者、下士官、兵士
問題点
ただ、当時にはなかった法律を後付けで裁いていることが問題視されます
罪刑法定主義
「あらかじめ法が定める犯罪に対して、法が定める刑を科す」
後出しはズルいよね・・・
罪刑法定主義の例は以下の通りです
※おが太郎の創作です
ノースリーブ裁判 1週間前にノースリーブを着ていた。 その後に法律でノースリーブは公然わいせつ罪となる。 あなた以前、ノースリーブで公共の場を歩いてましたね。それ犯罪ですよ。
裁いたのが戦争で勝った連合国側だけ。中立国がなかったのも問題視されます。
まさに「勝ったものが正義」だね・・・
場所
裁判場所:東京都市ヶ谷の旧陸軍士官学校
収容所:巣鴨留置所(スガモプリズン)
※その跡地に作られた池袋のサンシャイン60
サンシャインがかつての巣鴨プリズンってのは知ってたけど、
今は跡形もないからわからないよね。
戦犯として裁かれた人の数
A級戦犯・・・約100人が容疑者として逮捕
その中から28人がA級戦犯として法廷で裁かれた
28人中25人有罪
B/C級戦犯・・・被告人は世界各地で約5600人逮捕されそのうち約1000人が死刑判決
そもそも戦犯者選びは極めてあいまいで、証拠もない場合がほとんどでした。
個人の証言や感情によって選んでいたみたいです。
A級戦犯者紹介
大川周明
民間人としては唯一A級戦犯の容疑で起訴された
罪状としては扇動的な書物の出版、講演を行ったこと
超国家主義的右翼団体を結成し支援していたことなどが挙げられる
東京裁判開廷の初日に被告席から東条の頭をはたくなどの奇行
結果的に精神異常のため裁判免除
裁判後は精神異常も治癒したとされ、コーランを翻訳するなど活躍する
精神異常は演技だったのではとも言われていますが真相はわかりません
広田弘毅
外務大臣、第32代内閣総理大臣経験者でもある
罪状として有名なのは外務大臣として南京事件(日本が中国の南京を占領して多くの中国人を殺害した)を知りながら閣議に持ち込まなかったこと
絞首刑となります
敗戦が濃厚だった戦争末期にソ連を仲介に連合国との和平の道を探った
国民からも太平洋戦争を終結させようとしていた人物のように思われており、
死刑には懐疑が残ることとなった
絞首刑を言い渡されて、退出時に傍聴人席を見上げて軽く会釈しましたが、これは、父の裁判を毎回欠かさず見に来ていていた2人の娘さんに向けた最後の挨拶だったと言われてます。
東条英機
陸軍大臣、外務大臣、文部大臣と各大臣を歴任
現役軍人のまま第40代内閣総理大臣に就任(在任期間は1941年- 1944年)
絞首刑となります
東条英機曰く、この戦争は自衛戦争
アメリカが経済的、軍事的に日本を圧迫してきたため
(資源がない日本は石油、鉄などの物資は7割ほどアメリカに依存)
なお、逮捕直前に自殺未遂します。
米軍の憲兵が自宅に逮捕しに行ったときに、心臓めがけて拳銃をひき自殺をはかる。
医師に心臓の上に〇印をつけてもらっており、印めがけて拳銃を打つ。
しかしマッカーサーが「殉教者にしてはならない」って言ってアメリカ側が懸命な治療を施し一命を取りとめた
戦争責任の押し付け合い
裁判を有利に進めるだけでなく個々の戦争観の対立が存在した
近代日本における陸海軍の不仲は有名ですね。
陸軍 = 長州藩出身者
海軍 = 薩摩藩出身者
■陸軍
自衛戦争によって正当化
東洋民族解放のための戦争
■海軍
太平洋戦争に対しては自衛戦争
中国、アジア諸国については問題点があった
特に満州事変を自衛戦争として正当化するこは難しい
■外務省
戦争の回避に努めていた
残虐行為など戦争の責任は軍部にある
戦争自体を正当化することは難しいよね・・・
刑の執行
絞首刑7名、終身禁固刑16名、禁錮7年、20年
(6名は陸軍関係)
教戒師の証言・・・皆死ぬ前に「天皇陛下万歳」と唱えた
死刑執行日・・・昭和23年12月23日
その時の皇太子明仁親王(のちの平成天皇)の誕生日
東京裁判とは何だったのか
ダグラス・マッカーサー大将の情報参謀チャールズ・ウィロビー
「この裁判は歴史上最悪の偽善でした」
インド代表のパル判事
被告人全員無罪の主張
侵略戦争の定義がそもそもない、証拠がない
それぞれがそれぞれの立場で自分の正義を信じて行動していた
この世は力が支配して、その力に屈服した国の末路を感じました
今もこのルールは変わってないよね・・・
勝った国が正義で全て決められるんだよね。