玉砕を美徳にしてはいけないと思いますが、命を賭して守ったものがあったこと、決して無駄死にではなかったことは知っておきたいですね。
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はじめに
大東亜戦争はイメージ暑いところで戦っていたイメージがありませんか?
確かに、南国のジャングルみたいなとこで戦っていたのを想像するね!
今回のテーマアッツ島はアメリカのアラスカ州にある島なので寒いところで繰り広げられました。
元々はアメリカ領だった
第二次世界大戦における日米開戦を契機として
1942年6月6日に日本軍が占領する
アッツ島の占領
アッツ島は人が住む環境としては厳しい
資源があるわけでもない
日本からも地理に遠いため、アメリカは守備をおいていなかった
占領当時、現地住民が45人と白人夫婦が2名だけいた(白人1名は抵抗したため殺害される)
ほぼ無抵抗であったので日本は簡単にアッツ島の占領をすることができた
アリューシャン作戦 ・ミッドウェー海戦の陽動作戦 ・アメリカ領土を占領することの精神的ダメージ、日本的なモチベーション向上 ・地理的な米ソの分断
アッツ島周辺の島の占領、基地の強化、飛行場の建設を進めた
ただ、大本営としてはあまり旨味のない島であったこともあり、占領したものの本腰を入れて基地建設や守備力強化を行うことはしませんでした。
何となくで占領した感じなのかな・・・
アメリカの反撃
ミッドウェー海戦はアメリカの勝利に終わり、
太平洋戦争の形勢がアメリカに流れつつある中、
戦略的に重要な場所ではなかったが、
アメリカ領土を日本に奪われたことを恥辱に感じ
アッツ島および周辺の島の奪還作戦が開始される
敵国に領土を奪われるのは普通の感覚で言えば「恥」なわけですね。
竹島や北方領土なんて戦後からずっと奪われてるよな・・・
アメリカは日本の補給路を断つために
周辺海域の制海権を手に入れ、
日本軍基地には砲撃を加えて徐々に弱らせていった
アメリカは地理的に近いキスカ島を狙わずに 日本側に近いアッツ島に先に攻撃を仕掛けていた。 南国の島でも行っていた作戦だが、 島を孤立させることで戦力を弱らせる、機能させなくすることを目的とした。
日本はキスカ島から攻められると思っていたので、キスカ島に戦力の大部分を置いていました。
アッツ島はキスカ島が攻められているときに何とかしようくらいだったので完全に裏目に出てしまったのです。
アメリカ・・・1万数千名の兵力
日本(アッツ島)・・・約2500名
圧倒的な差だね。
アッツ島の玉砕
1943年5月12日~5月29日
アッツ島は約20日間の戦いだった
当初はさらなる長期戦を望んでいた
そのため水際で食い止めることはせずに、ゲリラ戦で勝負を挑んだ
でも数の差には勝てずに日本軍は追い込まれていくことになります
アッツ島にいる日本軍は救援を要請するも、
大本営からは「玉砕」を命じられる
え・・・何かひどいね。
少しでもアメリカ軍の数を減らしておけってことなんですよね
日本軍はこのアッツ島の戦いで戦死者2638名、生還者は27名
文字通り全員玉砕となった(人数は多少資料により若干変動あり)
気絶したまま捕虜になった人は運よく生き残れたレベル
山崎保代中将(戦死時は陸軍大佐)
アッツ島の戦いを語る上で外せない人物です
アッツ島の守備部隊を指揮していた人物
玉砕の命令が下ったため、生き残っていた部隊を集め、
アメリカ軍に総攻撃を仕掛ける
戦後の遺骨収集や遺品回収の際に日本軍攻撃部隊の一番先頭に遺品と遺骨が確認された
当時、指揮官先頭は伝統であったが、それを忠実に守った武人の誇りであった
軍刀持って旗を持って先頭にいるのが敵味方ともに確認されています
(軍刀は身分が高くないと持てなかったので、偉い人ってのは一目瞭然だったらしいです)
キスカ島の救出
アッツ島を見捨てる代わりにキスカ島を助ける約束をしていた海軍は
アッツ島に玉砕を望んでいた
先に述べたように少しでもアメリカ軍にダメージを与えておいて、
キスカ島の救出作戦を優位に進めるためです
アッツ島が約束通り玉砕をしたため、
海軍はキスカ島への救援部隊を送る
玉砕=無駄死にみたいな印象があるかと思いますが、結果的にアッツ島の玉砕は全く無駄にはなりませんでした。
キスカ島の部隊は全員無事に日本に帰還することができた
キスカ島で孤立していた約6000名の命が救われた
何故救出に成功できたか? ・制海権はアメリカにあったが、気候的に霧が出やすいこともあり上手くアメリカ軍の目をすり抜けることができた ・アッツ島の玉砕がありアメリカ軍が尻込みしていた(キスカ島の包囲網にゆるみがあった)
アッツ島で全員が玉砕覚悟で突っ込んでくることはアメリカ軍に少なからず恐怖を植え付けることができたようです。太平洋戦争全般そうですが、日本軍は多くの戦場でほぼ全滅するまで戦ってくるので、勝ってる側とはいえ精神的にもつらい戦いとなったようです。
それが結果的にキスカ島の救出につながったんだね!
まとめ
戦後の自虐史観教育だと「玉砕」=「無駄死」とか「バカ」みたいな印象操作されがちですが、決して無駄になったわけではありません。多くの犠牲を出したことも事実ですが、多くの人命を救うことにもつながっているし、少なくとも今日の日本という国は先の大戦での多くの犠牲の上に成り立っている国家なわけです(国体を維持でき、アメリカの植民地にもならなかった)