「特攻」と言えば皆「神風特攻隊」をイメージすると思うけど、
今回は海でのお話です。
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回天とは
「特攻」と言えば飛行機・・・だけではなかった。
海でも特攻兵器は存在した。
それが「回天」である。
「天を回らし不利な戦況を逆転する」意味が後に込められたそうな。
実際は特攻部長大森仙太郎が幕末の軍艦「回天丸」から取って命名した。
回天は魚雷を改造して乗組員が操舵できるようにした人間魚雷 発射されたら止まることはできず脱出は不可能 「十死一生」ではなく「十死零生」の兵器なわけである
回天での攻撃は下記のようになる。
①遠くから潜望鏡で敵艦を見つける
②水中に潜って敵艦の移動距離と回天の走行スピードからぶつかる地点を予測し突撃
③予測通り敵艦にぶつかったら起爆スイッチを押して任務完了
②の予測が狂うと③が実行できずに海に沈んでいくだけとなり
技術や計算力、極限状態での判断力が重視される「難しい兵器」であった。
何で使われた?
1944年7月に試作機が完成し
太平洋戦争の末期(1944年11月)に初めて使用された
特攻自体戦争に勝ってる時はやらないよね・・・
負け始めてどうにもならなくなって苦肉の策としてやり出したようです。
1944年だと日本は負けだしてる時だもんね。
回天の戦果
投入初期は敵が警戒していなかったことから成功した
しかし、敵が警戒してからは中々命中しなくなってしまった
最終的には発射すらさせてもらえない状況になった
敵が動いてしまうと途端に難易度が上がってしまい、敵艦に到達できずに散っていくことになってしまうんだよね。
レーダーとかはなかったの?
当時の日本にはなかった。
それにそこまで高性能なものを積める兵器でもなかったからね・・・
浮上して潜望鏡で見ながら進めば敵艦の位置はわかるが 近づく前に敵艦に撃沈されてしまう 潜水して進めば気づかれにくいが敵艦の位置がわからなく そのまま燃料切れで海に沈んでしまう
成功しても死ぬが、失敗しても死ぬ
そんな回天の戦果は
- 軍用艦3隻撃沈
- 軍用艦4隻損傷(沈没はしてない)
- アメリカ側の戦死傷者約400名
対して日本側の犠牲は
- 回天搭乗員として出撃した約100名が亡くなる
- 回天を発射するための潜水艦8隻が沈められる
これだけ見ると戦果としては散々な気がするなぁ
特攻について
回天に乗った人たちは命令されて乗ってはいないんだよね
あくまでも「志願制」だったとのことです
でも当時の状況で「乗らない」って言えたかどうかだよね・・・
回天搭乗員募集の際、回天のことには触れずに「新兵器の搭乗員」として募集をする その際アンケートを取り、 ・絶対乗りたい ・自分でも良ければ乗りたい ・乗りたくない を選ぶことができたらしい
回天って上層部は実は反対だったらしいんだよね
あくまでも中間管理職的な人が立案、作成までしたらしい
下士官の兵たちはけっこう乗り気だったみたいね
え、そうなんだ・・・
戦争がそうさせてしまってるんだろうね
当時の日本人の心境はわからないけど
特攻が美学とされていた節はあるよね
それはある種の洗脳に近い状態だったのかな・・・
現代の感覚では理解が難しいね