横田空域とは
- 場所と規模
関東を中心に1都9県(東京・神奈川・埼玉・群馬・栃木・新潟・長野・山梨・静岡・福島)の広域にまたがる空域。
高度は約2,450m〜7,000mに分かれ、ヒマラヤ山脈級の高さに相当。 - 航空管制権
日本ではなく米軍(横田基地)が管制権を保有しており、民間機は米軍の許可なしに通過できない。
結果、民間機はこの空域を迂回・急旋回・急上昇など非効率なルートで飛行。 - 影響
- 羽田発着の飛行時間延長・燃料消費増
- 渋滞やニアミス、燃料費の乗客負担
- 騒音・衝撃波による住宅被害(例:群馬県渋川市)
- 米軍は日本の航空法の適用外(航空特例法)
成り立ちと法的背景
- 戦後の名残
GHQによる占領統治の名残で航空管制権が米軍に。
日本側の技術不足が理由で一部のみ移管され、横田空域は除外されたまま。 - 法的根拠の曖昧さ
日本の航空法・日米地位協定には横田空域についての明文化がない。
管制権の付与は日米合同委員会での非公開合意に基づく。
米軍の利用目的
- 輸送拠点
横田基地はアメリカ本土・グアム・韓国等をつなぐ中継地。年間1万回以上の飛来。 - 軍事訓練
低空飛行・パラシュート降下・対地攻撃訓練(ダム・発電所を模擬標的)
イラク戦争など他国の戦争にも利用。
他国との比較
- ドイツ・イタリア:米軍基地ありだが、航空管制権は自国が持つ。米軍機の飛行は国内法の適用を受け、厳格に管理。
- 日本:米軍機は事前承認不要・国内法の適用外で自由に飛行可能。
横田空域の返還状況
- 2008年に約20%返還され、羽田から西方面への飛行時間が3分短縮・燃料費年60億円削減。
- それでも大部分は米軍管理のまま残存。
問題提起
- 日本の空なのに、日本が自由に使えない現状。
- 教科書に載っていないこともあり、ほとんどの日本人が知る機会がない
- 戦後80年経っても続く不平等な状況。

おが太郎
今回の参考文献です